Hinekurealm~ひねくれ者のせかい~

天才に憧れた凡人が寄り道しながら成長します。

英語オタク大学生がサカナクション「ルーキー」の英訳に挑戦!

 

ルーキー

消し忘れぇ、消し忘れたラァイッ♪

どうもツナ缶です。

 

ルーキー超かっこいいですよね。聴いた当初はそこまで好きではなかったというのが正直な感想ですが、最近はかっこよすぎてベタ惚れです。

 

ROCK IN JAPAN 2013でサカナクションを観たとき、アイデンティティから間を開けずにルーキーが来て痺れたのを覚えています。サカナクションLOVEな僕ですが実は一度しかライブでサカナクションを観たことがないんです(恥)、しかもフェス…。6.1チャンネルサラウンドライブとかホント行きたい…!

 

ということで、英訳してみましょう。

 

 

 

ルーキー

歌:サカナクション

作詞作曲:山口一郎

翻訳:ツナ缶

 

消し忘れ 消し忘れたライト
The light that was left turned on

あとどれくらいで 朝が来るのか
When will the morning come?

悲しみ 悲しみと同じ歩幅で歩いた夢を見てた
I would dream that I walked along with sadness.

何気ない 何気ない部屋の壁の傷を数えたりして
I counted scratches on the walls in my room

眠れない 眠れない夜をすり減らして爪を噛んでた
I would bite my nails, wasting sleepless nights
 
行かないで 見渡して
Don't go, look around

羽ばたいて 口ずさんで いつか
Fly away, hum a song, someday

言わないで 思い出して
Don't say, remember

羽ばたいて 口ずさんで いつか
 
消し忘れ 消し忘れたライト

街は花びら さよならの風
Flower petals flutter in our town and the wind blows, saying goodbye

悲しみ 悲しみと同じ君の歩幅で歩きたいのに
※ I want to walk at your pace, which is the same as sadness
       I'm the same as sadness; I want to walk with you

行かないで 見渡して
羽ばたいて 口ずさんで いつか
言わないで 思い出して
羽ばたいて 口ずさんで いつか
 
行かないで 見渡して
羽ばたいて 口ずさんで いつか
言わないで 思い出して
羽ばたいて 口ずさんで いつか

行かないで 行かないで
言わないで 思い出して
 
見えない夜の月の代わりに引っ張ってきた青い君
※You have been pulled out instead of the moon in those unseen nights
 You have led me instead of the moon in those nights, where the moon couldn't be seen
 

ポイント・解釈

いやぁ、美しい…! では、ひとつめ!;

 

 消し忘れ消し忘れたライト

The light that was left turned on

 

leave + Obj + Adj/ verb (受け身) で目的語がどんな状態なのかを表現できます。今回は受け身で使ったので少しトリッキーです。またこの文は文として完成してません。

 

あと主語を曖昧にしました。この曲には「君」が出てくるので、必ずしも主人公が消し忘れたのではないかも、ということで可能性を残しました。

 

 

 

次!;

 

悲しみ 悲しみと同じ歩幅で歩いた夢を見てた
I would dream that I walked along with sadness.
 
would + verb で、過去に定期的にしていたことを表現できます。
 
時制悩みました~!ここはルーキーのMVを参考にして、繰り返される行動が最後には過去になるのをヒントに、習慣的に見ていた夢であると判断しました。ぜひMV見てみてください。

何気ない 何気ない部屋の壁の傷を数えたりして
I counted scratches on the wall in my room
 
「何気ない」が表現できなかった~!何気ない部屋の壁の傷ってどんなかな…

眠れない 眠れない夜をすり減らして爪を噛んでた
I would bite my nails, wasting sleepless nights
 
「すり減らす」はなんとなく 動詞「waste(=無駄にする)」で上手くいった気がします
 ちなみに文の後半は分詞構文が使われています!分詞はめちゃ便利ですよ!文脈で補う意味が変わるので。ここでは ~ nails and I would waste ~ とand の意味で使いました。
 
 
次!;
 
悲しみ 悲しみと同じ君の歩幅で歩きたいのに
※ I want to walk at your pace, which is the same as sadness
       I'm the same as sadness; I want to walk at your pace
 
 二つの解釈があるのかなと思います。
ひとつは、「悲しみと同じ歩幅」の「君の歩幅」で歩きたい というのと、
もうひとつは、主人公が悲しみと同じ(≒共感・共鳴している)で、君の歩幅で歩きたい というものです。まあ、結構似てますね(笑)。
 
これらを表現するのに、上記の二文になりました。個人的には、最初の解釈かなと思います。というのも、前の詩に
 
悲しみ 悲しみと同じ歩幅で歩いた夢を見てた
I would dream that I walked along with sadness.
 
がありますよね。これがカギで、この場合は「悲しみと同じ歩幅」で歩いてた、つまり修飾のパターンが重なるんですね。「悲しみと同じ君の歩幅」で歩きたい。
 
というかそもそも「悲しみ」は主人公と一緒に歩いてるのかな?それとも感覚だけ覚えてて一人で歩いてるのかな?それによっては I walked along with sadnsss って違うなぁ…。
 
 
 
次;
 
街は花びら さよならの風
Flower petals flutter in our town and the wind blows, saying goodbye
 
ここもムズい! 街は花びら さよならの風 完成されてる。。。
 
僕は、
 
(僕らの) 街(に)は花びら
 
で解釈して訳しました。 動詞「flutter (≒舞う)」はなかなか目にしない単語ですね。使い慣れてなくて、上手くできてるかな…。
 
 
 
最後!;
 
見えない夜の月の代わりに引っ張ってきた青い君
※You have been pulled out instead of the moon in those unseen nights
 You had led me instead of the moon in those dark nights, where the moon couldn't be seen
 
ここ一番好き。かっこよすぎ美しすぎ。一郎さん天才。
 
二解釈用意しました。 ポイントとなる箇所は;
①まず、Ⓐ主人公「君を月の代わりに引っ張ってきた」解釈と、Ⓑ主人公、「君が引っ張ってきた」という解釈が可能なこと、
②つぎに、Ⓒ「見えない夜の、月」なのか、Ⓓ「見えない、夜の月」なのかという点です。
 
これらを掛け合わせると4パターンできるのですが長くなっちゃうので二つに絞ります; ⒶⒸ(★)、ⒷⒹ(☆)の二パターンで英訳しました。
 
 
 
★You have been pulled out instead of the moon in those unseen nights
 
時制は現在完了形にしました。今まで「引っ張られ続けてきた感」が出ると思います。
 
また、pull out で「引っ張る」という意味で、
   instead of は「の代わりに」という意味です。
   unseen と invisible のどちらを使うか迷いましたが、後者だと少しかたいというかロボット感が出る気がしたので前者を採用しました。これ正直不安です。。
 
こちらの方が踏み切った解釈をしていないのでそのままの歌詞に忠実です。無難な訳だと思います。
 
 
 
☆You have led me instead of the moon in those dark nights, where the moon couldn't be seen
 
さて、こっちは思い切って僕の解釈をぶち込みました。
 
まず、「引っ張る」は直訳でなく、「導く」というニュアンスで lead にしました。
   「見えない夜」も直訳はやめて「暗い夜」として dark nights としました。
また「見えない夜の、月(=夜が見えない)」、ではなく「見えない、夜の月(=月が見えない)」の解釈で、
 
nights, where the moon couldn't be seen
 
にしました。ちなみに、この , は必須です。これがないと、nights where the moon couldn't be seen となり、実はこれが意味するのは、 nights where the moon could be seen という nights もこの時同時に存在したという意味になってしまうんです!…伝わってますかね…(笑)あくまで「月が見えなかった」という情報はオマケに過ぎないんです。これはまた別の記事で詳しくやりたいと思います。
 
 

 

 
ここで、どちらの解釈にも最も重要なことなんですが、この曲は一郎さんが恋愛をしていたときにつくった曲だそうです。この文脈で僕なりに超意訳すると、「君」は当時の彼女のこと?;
 
You have been pulled out instead of the moon in those unseen nights
僕がつらいときに君をそばに置いてきた(=僕が君を引っ張ってきた)。
 
You have led me instead of the moon in those dark nights, where the moon couldn't be seen
君が僕のことをつらいときも支えてきた[導いてきた](=僕を君が引っ張ってきた)。
 
 
解説しますと、
ご存じの方も多いと思いますが、「月」はサカナクションの曲に結構出てきます。「夜」ほどじゃないけど。
 
一郎さんが「月」を「夜」とセットの特別なものとして捉えているのは確実。以前一郎さんは公式に「夜」が好きな言葉とテレビでおっしゃっていました(某国営放送で)。
 
一般的に「夜」は何かのメタファーとされるとき、それはしばしば「つらい期間, hardship」だったりします。そこで僕は、今回はこの解釈をそのまま使いました。
 
そうすると、「月が出ている夜」は一郎さんの心が安定している期間のメタファー。夜は月が照らしているから問題ない。むしろ好き。
 
しかし、月が見えない夜には心も不安定となり、そんなときに君が月の代わりになる…
月(=安定)は消えては現れますよね。
 
「芸能人・タレント」としてではなく「一人の人間」としてのアーティストである自分を大切にされている (テレビ情熱大陸 より)一郎さん の精神も、一人の人間として月の満ち欠けのように上下を繰り返してるはず。付き合うっていうのは、一郎さんにとってはそんな精神の上下を埋めるみたいなことだったのではないか、、。
 
「月」は夜 (=つらいとき)を照らす光、つまり月と君は一郎さんにとって光で、
 
それでもって
 
「引っ張ってきた(=支えてくれる)青い君(=彼女)」
 
という歌詞なのではないか、という解釈が成り立ちませんか。
 
 
 
 
 極めつけとしては、
 
 
行かないで思い出して
 
や、
 
さよならの風
 
 
という部分が、彼女との別れが見えてきてしまったことを暗示しているように聞こえなくもない… (一郎さんはその後彼女と別れてしまいます(サカナLOCKS より))。
 
 
 

 さいごに

 
説明が下手ですみません>≺、以上です。。これで全然違ったら顔面真っ赤になりますね僕…(笑)。一郎さんには絶対読んでほしくないな
 
あと、一部MV の解釈を採用しましたが、僕のこの解釈自体はMVとは全く別物です。一般的にはルーキーは、一郎さんの、「過去に囚われる自分からの救済」の歌と言われています。僕もこれで正しい解釈だなと思います。詳しくはぜひ調べてみてください。
 
皆さんの感想を聞かせてください!文学部出身で作品の解釈ばかりやってましたって方とか、工学部出身だけど授業中はずっ~とサカナクションについて沈思黙考してましたって方も全然いると思うので、ぜひ!